ぷっぷく工房

mugenとゲームとイラストをまったりと綴るブログです。

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つづら杯決勝戦~中編その6~

こんにちは、管理人のつづらです。

暴走するアネル。
必死に呼びかけ続けるナコルルの想いは、はたして
アネルに届くのか・・・?

徐々に明らかになっていく、選手喪失の謎。
物語中編も、いよいよ佳境です!



【本戦会場】

アネル:ゴアアアアアアア・・・ア・・・っ!!!!

ナコルル:アネルさん、お願いっ・・・!!
      話を・・・話を聞いて下さいっ!!

激しい炎を吐きつつ、会場を破壊し続けるアネルにナコルルは
なおも話しかけ続ける。

焦点の定まらぬ業火が、会場のあらゆる箇所を破壊し、
その一部がナコルルへと降りかかる。

それをゾディアックが片腕のまま、巧みに射線をずらしつつ、
弾き飛ばす。

ゾディアック:・・・どうするナコルル。 このままでは埒が明かぬぞ。

ナコルル:・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ゾディアック:・・・そういえば、先ほどそなたは、アネルの暴走の由縁を
        話していたな。 一体、アネルをここまで追い込んだものとは、
        なんなのだ・・・?

ゾディアックの問いに、ナコルルは一瞬躊躇しつつ、言葉を振り絞る。

ナコルル:・・・アネルさんのお仲間である・・・ハガネさん・・・、
      そして、リアフィーユさんが・・・アネルさんの目の前で・・・。

それ以上の言葉は繋げられなかった。
悲しみに顔を歪ませ、胸の前に手を当てるナコルル。

ゾディアック:・・・そうであったか。

暴走の理由を悟ったゾディアックは、もう一度アネルに視線を戻す。
しばしの沈黙の後、ゾディアックは静かに語り出す。

ゾディアック:・・・我ら、4人が研究所を出て一年。 余を除く、アネル、
        ハガネ、リアフィーユの3人は、ともに暮らすようになった。
        親の顔も知らぬ、他人同士ではあったが、まるで互いの
        欠けていたものを補う様に、意思を通じ合わせる様になった。

ナコルル:・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ゾディアック:・・・始めはぎこちなく、よそよそしいものではあった様だが、
        それでも、互いに足りないものを補い合い、支え合う姿は、
        未熟とはいえ、家族そのものの様でもあった。 まるで、
        血を分けた本当の姉妹のようにな。

ナコルル:・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ゾディアック:・・・それからだ、アネルが少しずつ変わっていったのは。
        それまで、非情ともいえる冷徹さで、部外者をただ排除する
        だけの存在だったあやつが、2人と過ごす日常の中で、
        少しずつ己の感情を取り戻していったのは。 ・・・まるで、
        氷が徐々に解けていくようにな。

ナコルル:・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ゾディアックの表情は普段と変わりないものだったが、アネル達を語る
その瞳は、とても穏やかなものの様にナコルルは感じていた・・・。

ゾディアック:・・・ナコルルよ。 そなたにはアネルがどう映っている?

不意に、ゾディアックがナコルルに問う。

ナコルル:・・・人として、とても立派で、何よりも人を絶対に裏切らない、
       尊敬出来る方だと感じました。

ゾディアックの問いに、ナコルルは己の考えを率直に伝える。

ゾディアック:・・・そうか、そなたにはそう見えるか。

ナコルル:?

ゾディアック:・・・確かにあやつは、人として、分別をわきまえた立派な人格を
        備えているのだろう。 ・・・多少、融通の利かない頑固な部分も
        あるがな。 だが、そなたが感じたあやつの人格は、ある意味、
        砂上の城のような危うきものでもあるのだ・・・。

ナコルル:それは・・・一体?

ゾディアック:・・・そなたも薄々、我らが人とは少し違う存在である事を感じて
        いるのであろう? ・・・察しの通り、我らは、とある神の再現という
        研究の副産物として生まれた存在だ。

ナコルル:・・・・・・・・・っ!

ゾディアックは、なおも言葉を繋げる。

ゾディアック:・・・馬鹿げた話だ。 元より人が神を作り出すなど不可能に近い。
        我らとて、しょせん元となった神の、人間の複製品としての存在に
        過ぎん。 我らが個々持ちうる人格も、研究に都合の良い様に
        後付されたものだ・・・。

ナコルル:・・・そんな、そんな事って・・・。

言葉を失うナコルル。
ゾディアックの話は、彼らの背負ってきた重い過去を推測させるのに、
十分なものであった。

ゾディアック:・・・ともかく、アネルは、外部からの侵入者を排除する為、戦闘に
        不必要とされる感情は全て消去させられていたのだ。 文字通り、
        ただ、戦う為の・・・守る為の道具としてな。

ナコルル:・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ゾディアック:・・・ハガネやリアフィーユと共に暮らす中で、少しずつ人間らしい
        感情を取り戻していったあやつではあるが、【ヒト】として生きた
        年数は、おそらく、そなたよりまだ短い。 それ故、その心、精神は
        大きな衝撃を受ければ、硝子の様に容易く割れてしまうものなのだ。
        ・・・今回のあやつの暴走も、心の拠り所となっていたものを失った
        事に対する動揺と見ていいだろう。

ナコルル:アネルさん・・・。

ここまで話し、ゾディアックは訝しむ。

ゾディアック:・・・とはいえ、解せぬな。 余は未だに、ハガネとリアフィーユの
        存在を感じておる。 あやつらが死んだとは到底思えぬのだが・・・?

ナコルル:!? それは、一体どういう事ですか・・・!?

ゾディアックの突然の発言に動揺するナコルル。

ゾディアック:・・・うむ。 先ほど話した通り、我らの身体には【オロチ】と呼ばれる
        神の因子が組み込まれておる。 因子は、保有者に力を与えると
        同時に、因子の組み込まれた者同志の存在を感覚的に認識する事も
        可能としている。 ・・・その因子が余にはっきりと告げておるのだ。
        あの二人の存在をな。

ナコルル:まさか・・・!? そんな・・・。

ゾディアックの言葉に、驚きを隠せぬナコルル。
しかし、その胸は、新たなる希望を感じずにはいられなかった。

to be continued・・・
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つづら杯決勝戦~中編その5~

こんにちは、管理人のつづらです。

仲間を失い、暴走するアネル・・・。
全ては、オーガストの意のままになってしまうのか・・・?

風雲急を告げるこの戦いの果て、ナコルルの取る行動とは!?
絶望と混乱の中、いよいよ物語は、ターニングポイントです!!

パンドラの箱に残されたもの・・・それは。



アネル:ぐあああああああああああああ~~~~~~!!!!

仲間を失い、暴走するアネル。
猛るような悲鳴のようなその雄叫びは、会場を揺るがす激震を巻き起こした。

アネルを中心に、前後左右に亀裂が走る。
振動は、さらに大きくなり、会場周辺の柱を数本崩壊させる。

大気の振動さえも巻き起こす、その異様な姿に、今までこの戦いを余興と
捉えていた観客達の間から、動揺と混乱の声が悲鳴となって生じ始める。

オーガスト:ふふふ・・・! いいよ、いいよ!! ついに心が壊れた
       みたいだね♪ そうよ、私達はただ壊す事しか出来ない道具・・・。
       その破壊と怒りの衝動に駆られた姿こそ、私達の本性なのよ!!

アネルの暴走する姿を見て、満足げに笑みを浮かべるオーガスト。
ひとしきり、笑い続けた後、じっと虚空を見つめる。

オーガスト:(・・・そうよ、変えられるはずがないのよ、この血塗られた運命は。)

口端が僅かに歪む。
ふいに、アネルに視線を戻したオーガストは、挑発するかのように声を発する。

オーガスト:あははは!! ほぉ~ら、あなたの大切なものを奪った
       ゾディアックと私は、ここにいるわよ!! 悔しいでしょお!
       憎いでしょう!! ・・・だったら、その憎しみと怒りの炎で、
       私達を殺してみなさい!! ほら、ほらぁ~~~~!!!

両腕を広げ、アネルを自分へと招くオーガスト。

その姿を捉えたアネルの瞳に、憎悪の光が灯る。

アネル:・・・オ・・・オ・・・ガス・・・ト・・・!
     グオオオオオオオオオオオ~~~~~!!!!

咆哮と共に、その口から発せられる紅蓮の炎。
そのすさまじい炎は、まるでレーザービームのように一瞬でオーガストの
立っていた場所まで放射される。

一気に爆発四散する煉瓦。
激しい振動と共に、爆炎を上げるステージ。
試合会場は一気に恐怖の悲鳴で覆い尽くされた。

巧みに攻撃をかわしつつ、挑発を続けるオーガストに、なおもアネルは
業火を吐き続ける。
しかし、怒りに焦点の定まらないその攻撃は、会場をいたずらに破壊する
だけだった。

ナコルル:う・・・。

その激しい振動に、意識を取り戻すナコルル。

目の前で咆哮を上げる炎の獣。
それが、アネルの変貌した姿である事を理解するのに、それほどの時間は
かからなかった。

ナコルル:ア、アネルさん・・・!

すさまじい咆哮を上げつつ、四方八方に業火を噴出するアネル。
まるで、泣いているかの様な悲しい叫びを聞いたナコルルは、いてもたっても
いられず、ゆっくりとアネルに近づいていく・・・。

オーガスト:あらあら・・・、気が付いたみたいだね、お姫様♪
       一体何をするつもりなのかしら・・・? 残念だけど、ああなって
       しまったら、もう二度と元に戻る事なんてないよ。 あんたの
       知ってるアネルはもういない。 あれはただの・・・、破壊の化身、
       怪物さ。

ナコルル:違います・・・! たとえどんな姿になろうと、アネルさんは
      アネルさんです!! 私の命に代えても、元に戻して見せます・・・!!

オーガスト:他人の為に命を捨てる・・・? あははは、馬鹿かい、あんた!
       誰もが自分の命が一番大事なんだ、どんな偉い事言ったって、
       窮地に陥れば、メッキなんか剥がれちまうんだよ!!

オーガストの言葉に耳を貸さず、ナコルルはアネルへと近づいていく。

ナコルル:だめ・・・。 アネルさん、悲しみに、憎しみに押しつぶされないで・・・。
      あなたは、そんな弱い人じゃない・・・。

ナコルルを視界に捉えるアネル。
もはや、目の前の人間がナコルルだと認識する事もなかった。
今のアネルにとって、視界に入る物、全てが憎むべき対象、壊すべき存在であった。

破壊衝動に駆られるアネルは、近づいてくるナコルルに威嚇の炎を浴びせかける。
ナコルルを掠め、次々に被弾する炎。

ナコルル:アネルさん・・・。

ナコルルの肌は、徐々に炎による火傷で、傷付き始める。
しかし、ナコルルは足を止める事無く、歩き続けた。

なおも近づいてくるナコルルに、アネルは咆哮と共に、一気に紅蓮の炎を
浴びせかけた。
凄まじい勢いで迫りくる巨大な炎。

カッ・・・!!!
ドゴアアアアアアアアアアアアア・・・・・!!!!

激しい閃光が瞬き、衝撃と共に爆発する炎の渦。
紅蓮の炎がナコルルの全身を焼き尽くす!!

・・・が。

???:やれやれ・・・。 余の身内の晴れ舞台と聞いて来てみれば、
     よもやこのような事になっていようとは・・・。

ナコルル:!?

オーガスト:な・・・! お、お前は・・・!?

mugen00698.png

ナコルルの目の前に立ちはだかり、アネルの業火を片手だけで跳ね除ける男。
アネルをじっと見つめ、微動だにしないその男の風貌は、あろうことかゾディアック、
その人であった。

ナコルル:あ、あなたは・・・一体・・・!?

ナコルルにも、今の状況が全く理解出来ない。
先ほど、仲間を傷つけ、あろう事か、大切な人の命を奪ったはずのゾディアックが、
自分を助けたのだ。

オーガスト:ば、馬鹿な・・・!? な、何故、貴様がここにいる!!
       門番は・・・、ゲートキーパーはどうした!!

ナコルルの動揺をよそに、狼狽し、まくし立てるオーガスト。
その顔には、明らかに焦りの表情が見て取れた。

ゾディアック:門番・・・? ああ、あの者の事か。 確かに少々、手こずりは
        したが、余にとっては、まあ、造作もない事だ・・・。

ゾディアックの片腕から、血が滴っている。
激闘を繰り広げていた事は、火を見るより明らかだった。

ゾディアック:・・・それにしても、余の紛い物まで用意するとは、つくづく、
        貴様も戯言が好きと見えるな、オーガストとやら。

もう一人のゾディアック?を一瞥するゾディアック。

奇妙な構図だ。
まったく瓜二つの姿形をした人間が対峙するかのように向かい合う。

だが、その身体から放出される強烈なプレッシャーは、偽物の比ではなかった。

オーガスト:くっ・・・!
ゾディアック(コピー):ぐあっ・・・。

本物の放つ重圧で全く動けない、コピーとオーガスト。
再びゾディアックは、アネルに向き直すと、静かに語り始めた。

ゾディアック:・・・不甲斐無いものだな、アネルよ。 余の暴走を止めるべき
        存在のお前が、このような姿に成り果てるとは。 木乃伊取りが
        木乃伊になるとは、この事か・・・。

アネル:グオオオオ・・・オオ!!

ゾディアック:・・・余の暴走を止めるのがお前の役目であると同時に、お前の
        暴走を止めるのも余の役目。 このまま生き恥を晒すくらいなら、
        いっそ余の手でお前を・・・。

静かにアネルに手をかざすゾディアック。
その手に魔方陣のような紋章が浮かび上がる。

ナコルル:待って下さい!!

アネルの危機を察したナコルルが、ゾディアックに声をかける。

ゾディアック:ぬ・・・、そなたは?

ナコルル:私は、ナコルルと申します。 ゾディアックさん、先程は助けて頂き、
      ありがとうございました。 ・・・ですが、どうかアネルさんを傷付ける
      のは、待って下さい!

ゾディアックに必死に懇願するナコルル。
曇りなきまっすぐな瞳を静かにゾディアックは見た。

ゾディアック:・・・しかし、このままでは、アネルは周りの物をすべて破壊し尽くし、
        暴走の限りを尽くす事となるだろう。 己さえ見失ってしまった
        あやつを止める手立てがあるのか?

ナコルル:・・・今のアネルさんは、大切な人を目の前で失ってしまった現実に、
      心が耐え切れなくなっているんです。 周りを憎み、相手を憎み、
      そして、何より、何も出来なかった自分自身を憎んでいる。 
      ・・・自分自身が、許せない状態になっているんです。

ゾディアック:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ナコルル:悔やんでも、悔やんでも、後悔しきれない自責の念。 本当に
      大切だったからこそ、どんどん心が闇に沈んでいく・・・。 負の念に
      ずっと囚われてしまっているんです。

ナコルルの心を過ぎる父、そして、妹リムルルの姿。

ナコルル:でも・・・、人は、きっと前に進む事が出来る。 大切な人との
      思い出は、悲しいものだけじゃない筈です。 私は・・・、私は、
      アネルさんの心を信じます。 どんな苦境にも負けない強い心を・・・!

未だ咆哮を上げるアネルをじっと見つめるナコルル。

ゾディアック:・・・そなた、何故そこまでアネルの事を?

ナコルル:アネルさんは、私をずっと支えて下さいました。 自分自身の
      苦しさも胸にしまい、辛い顔一つ見せず、人の為、ずっとずっと
      動いて下さいました。 ・・・だから、私も、アネルさんの力になりたい。
      アネルさんは私の大切な・・・。


(仲間だから!!)


まっすぐな瞳で、アネルを見つめるナコルル。

ゾディアック:・・・アネルは、良き友を持ったようだ。 ・・・なれば、余もそなたに
        協力しよう。 我が名はゾディアック。 守護する者也!!

ナコルル:・・・ありがとう、ゾディアックさん。

ゾディアック:・・・とはいえ、どうするナコルル。 余は破壊する事は得意だが、
        心を救うような高度な技は持ち合わせていない。 ましてや、
        相手は暴走したアネルだ。 生半可な小手先の技は通用せぬぞ・・・?

ナコルル:きっかけが・・・、何かきっかけさえあれば、なんとかアネルさんの心に
      呼びかける事が出来るのですが・・・!

ゾディアックの登場によって、急展開を迎える会場。
はたして、ナコルルは、ゾディアックは、アネルの心を救う事が出来るのだろうか?

to be continued・・・
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つづら杯決勝戦~中編その4~

こんにちは、管理人のつづらです。

オーガストの猛攻に、ついに倒れるアネル。
絶望の果てに訪れる悲しみ。

対価と罪。
そして・・・。



アネル:ぐはっ・・・!

爆炎と共に吹き飛ばされるアネル。
激しく地面に打ち付けられうつぶせに倒れる。

オーガスト:・・・なさけない。 これがあなたの本気!?

ブスブスと全身から煙を舞い上がらせるアネルを侮蔑しながら、
オーガストは、真紅の凶爪で一気に切り裂く。

アネル:がはっ・・・!

苦しみのたうつアネルにオーガストは容赦のない一撃を放つ。

オーガスト:あはは! 良い技でしょう! 
       これは、あなたの仲間の技よ!!

さらに、地面から生えた氷塊がアネルの身体を天高く舞い上がらせる。

アネル:ぐっ・・・!

再び、地面に叩きつけられたアネルを冷ややかな目で見つめながら、
オーガストはひとり呟く。

オーガスト:・・・本当に無様ね。
       仲間にも見捨てられ、仇さえも取れない。
       大層な口を叩いたって、結局、あんたに守れるものなど何も無い。

アネル:・・・・・・・・・・・・・・・。

オーガスト:仲間? 絆? はっ! 笑わせる!!
       結局、世の中、力しか信じられる物はないんだよ!!

アネル:・・・・・・・・・・・・・・・。

オーガスト:ちっ・・・、あんたとの遊びも飽きた。
       ゾディアック!!

傷付き倒れたアネルを尻目に、オーガストはゾディアックへと叫ぶ。

オーガスト:いつまで遊んでいる!! さっさと終わらせろ!!
       ・・・とっととこのつまらない茶番の幕を下ろすよ!

オーガストの声を聞くと同時に、ゾディアックの闘気が異常なほど膨れ上がる。

アネル:な・・・、何をする・・・つもりだ?

先ほどとは異質なゾディアックの気を感じ、アネルは声を振り絞る。

オーガスト:くすっ・・・。 見てるがいいさ、パーティの終焉を。
       本当の絶望ってやつをね・・・!

アネル:!? に、逃げろ・・・!! ナコルル~~!!!

オーガストの異常な瞳に、とっさに危機を察したアネルは、力を振り絞って叫ぶ。

ナコルル:アネルさん!? ・・・はっ!

ゾディアック:・・・遅い。

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ナコルル・キュアブロッサム:きゃああああ~!!!!!

慌ててシールドを展開するキュアブロッサムだったが、瞬時に懐に入った
ゾディアックの爆撃を喰らい、二人同時に吹き飛ばされる。

今まで以上に速く、重いゾディアックの一撃を喰らい、意識を失うナコルルと
キュアブロッサム。

さらに、ゾディアックはその兇刃を孫策達に向ける。

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孫策・星彩:なっ・・・!!

ハガネ、リアフィーユとの戦いに気を取られていた二人には、
瞬時に懐に飛び込まれたゾディアックに対処する術はなかった・・・。

吹き飛び、気を失う孫策達。
だが、ゾディアックの凶行はそこで終わりではなかった。

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返す拳で、ハガネ達を掴むと、一撃、二撃と重い拳を打ち付ける。
なすがまま、やられる二人。

アネル:!? ハガネ! リアフィーユ!!
     や、やめろ! やめろぉぉ~!!!

這いつくばりながらも、なんとか二人の元へ進もうとするアネル。
・・・が、オーガストは小さな力場を作り出し、アネルを地面に釘付けにする。

アネル:がはっ・・・!

オーガスト:あらら? ゾディアックったら、あの二人も標的にしちゃったのね。
       ほ~んと、見境ないんだから。(笑)

アネル:・・・あいつらは、お前に力を貸していただろう・・・それを!

必死の形相でオーガストに食い下がるアネル。

オーガスト:はあ? 力を貸していた? 寝言言ってんじゃないわよ。
       あいつらは、ただの道具。 利用出来るからしているだけよ。
       もちろん、ゾディアックもね。 ・・・道具を利用して何が悪い。
       むしろ、私の役に立つんだから、感謝してもらいたいものね!

アネル:き、貴様ぁ・・・!

オーガスト:どっちにしろ、あんたじゃ、何も出来ないよ。 そのまま、
       あの二人が、朽ち果てるのを見ているがいいさ。
       無力な道化師さん。

二人を掴んだまま天高く跳躍するゾディアック。
そして、そのまま地上に打ち付ける。

びくん・・・っ!

二人の身体が痙攣し、動きを止める。

アネル:!?

ゾディアックが両腕を高々と掲げる。
血まみれになった二人は、微動だにしない。

アネル:ハガネ! リアフィーユ!!

空しく天に木霊するアネルの声。
ゾディアックの瞳に、狂気が宿る。

アネル:ゾディア・・・っ!

ゾディアック?:・・・終わりだ。

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ドゴォオオオ~~~~ン!!!!

大轟音と共に、破裂する業火。
一瞬の静寂。
空白。
虚無。

轟轟と立ち上る煙が消えた時、その両の掌には、なにも残っていなかった。






アネル:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

虚空を呆然と見つめるアネル。
辺りの喧騒も、何も聞こえない。

頭の中が真っ白になり、ただただ、目の前を見つめる事しか出来ない。
胸にぽっかり開いた穴。

次第に、手足が震え始める。
全身が引き裂かれるような痛み。

後悔。
怒り。
悲しみ。
死。
絶望。
虚無。
慟哭。
死。
笑顔。
後悔。
憎悪。
死。
殺意。
無力。
絶望。
闇。

様々な感情がアネルに雪崩込む。
今までに感じた事の無い、その感情に耐え切れず、アネルは吠えた。

アネル:ぐあああああああああああああ~~~~~~!!!!!!!

全身から湧き出る激しい炎。
その身体の至る所に、紋章のような不思議な呪印が浮かび上がる。

ゴオオオオオオオオ~~~~~!!!!

天をも焦がす、紅蓮の業火で全身を焼き尽くしながら、
アネルは一匹の炎の獣に姿を変えた・・・。

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to be continued・・・
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つづら杯決勝戦~中編その3~

こんにちは、管理人のつづらです。

ついに激突するアネルとオーガスト!!

仲間の援護の末、やっと対峙した二人の決着の行方は・・・!?
渦巻く想いの中、戦いは今、始まります!

負けられぬ戦いが・・・ここに!



粉じんの中、二人の技を受け止める孫策と星彩。

アネル:お・・・お前達・・・!

孫策:ごめん・・・。 闘いに水を差すとは思ったけど、さすがにね・・・。
    でも、あなたには、他に戦うべき相手がいるでしょ・・・。

アネル:・・・・・・・・・・・・・・・。

星彩:ここは、我らが引き受けます。 アネル殿は、倒すべき敵を
    その手で討ち果たして下さい!

アネル:孫策・・・、星彩。

激闘を演じ、すでに心身ともに疲弊しきっているはずであろう二人の想いを感じ、
アネルは静かに頷いた・・・。



灼熱の業火をキュアサンシャインがバリアで防ぐ。
静かにナコルルを助け起こすキュアブロッサム。

ナコルル:ブロッサムさん・・・。

ブロッサム:・・・大丈夫ですか、ナコルルさん?

ナコルル:・・・はい、ありがとうございます。

ブロッサム:・・・及ばずながら、私達も助太刀致します!
       大切な者を守ろうとするあなたの気持ち、無駄にしません!!

いまだ狂気の殺気を放つゾディアックを睨みつつ、ナコルル、そして、観客を
守るように並び立つキュアブロッサム達。

飛影との激闘を演じ、すでに身も心もボロボロであろうキュアブロッサムの姿を
ナコルルは今まで以上に頼もしく感じた。

ナコルル:アネルさん! ゾディアックさんは、私達がなんとか抑えます!
       どうかその間に、オーガストさんを止めて下さい!!

必死に声を上げるナコルル。

アネル:・・・ナコルル。 すまん・・・、皆、ひと時、私に時間をくれ!!
     必ず、オーガストを止めてみせる!!

オーガストへと歩みを進めるアネル。

オーガスト:あらあらぁ・・・? とんだ邪魔が入っちゃったものね?
       ・・・で、あなたは何しに来たのかしら?

アネル:・・・お前を止める為だ。

オーガスト:私を・・・止める? ・・・くくく、うふふ、あ~はっはっははは!!!

アネルの答えに、顔に手を当て、急に笑い出すオーガスト。

オーガスト:あたしを止めたきゃ、殺す気でかかってこいよっ・・・!!!
       手前みたいな甘ちゃんに何が出来るっていうんだよ!!
       ・・・いいよ、殺してやる。 その後に、ここにいる連中も一人残らず
       消してやるよぉ~~~!!!

アネル:オーガストぉぉぉぉ~!!!!!

アネルは一気に闘気を開放する。
激しくぶつかる二人の闘気が一気に膨れ上がった。

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目まぐるしく打ち合うアネルとオーガスト。
互いの拳、蹴り、闘気が会場中央で激しく激突する!

互いの隙を探し、差し込み、そして、反撃する。
だが、怒りに燃えるアネルは、少しずつ、オーガストを圧倒し始める。

オーガスト:くす・・・♪ 甘いわね!

アネル:!?

一瞬の隙を突き、オーガストのナイフがアネルに突き刺さる。

アネル:くっ・・・!

ひるんだアネルに容赦なく浴びせかけられるオーガストの業火。

オーガスト:あはは! こんなものじゃないでしょう!
       見せなさいよ! あなたの本気を・・・!

アネル:・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

アネルの右手に炎が集束する。
一気に膨れ上がるアネルの闘気。

オーガスト:そうよ! もっと見せなさい!!
       あなたの憎悪!! そして、怒り!!
       この私に見せてみなさい!!

一気に激しさを増したアネルの猛攻を嬉しそうに受けながら、
狂気の笑みを浮かべるオーガスト。

オーガスト:でも・・・、それだけじゃ、まだ私には届かない♪
       本当に私を止めたければ、殺す気で技を出しなさい!!

アネルに叩きつけられる業火と氷刃!!

アネル:くっ・・・!! はああああああ~!!!!!

全身に炎をまとったアネルの必殺の一撃がオーガストを直撃する!

アネル:や・・・やったか!?

轟轟と天高く燃え盛る炎の柱。
・・・が、次の瞬間。

アネル:!?

一瞬だった。

一気に放出した技の隙を突かれ、オーガストの猛攻が突き刺さる。
全身の火傷をものともせず、オーガストは無言のまま、無慈悲な拳を
アネルに叩き込む。

オーガスト:・・・これで、最後よ!!

アネル:がっ・・・!

ナコルル:アネルさん・・・!!

爆炎と共に吹き飛ばされるアネル。
最後に立っていたのは、狂気の笑みを浮かべるオーガストだった。

to be continued・・・
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つづら杯決勝戦~中編その2~

こんにちは、管理人のつづらです。

ついに、牙を剥くオーガスト!
絶体絶命の窮地に、アネルは、ナコルルはどう動くのか?

仲間の想いが明日をつなぐ、つづら杯スタートです。



・・・依然として、ハガネ達の執拗な攻撃は続いていた。

浴びせられる否定の言葉。
激しい攻撃と共に浴びせられる二人の言葉に、次第に疲弊していくアネル。

アネル:くっ・・・!

以前のアネルであれば、躊躇なく障害となる存在は消していただろう。
それが当然であったし、また、それが自分に与えられた義務だとも考えていた。

ゲートキーパー。
それがアネル唯一の存在意義だった。

当然、反撃のチャンスは何度かあった。
だが、今のアネルに反撃の選択肢はあり得なかった。
自分自身、どうしてか、その理由ははっきりとは分からない。
ただ、そうする事が正しいと心の底の何かが自分を突き動かしていた。

ナコルル:アネルさん・・・。 くっ!

観客席へと近づきつつあるゾディアックに、対峙するナコルル。
圧倒的ともいえるその覇気に、なんとか自分を奮い立たせて対峙する。

ゾディアック?:・・・邪魔だ、どけ小娘。

ナコルル:・・・いいえ、どきません! その拳は力なき者に向けるものではないはず。
      ここから先に行かせる訳には参りません!!

ゾディアック?:失せろ!!

ゾディアックの掌から発せられる覇気。
とっさに防御の姿勢を取ったナコルルであったが、強烈な衝撃に
観客席前の壁際まで、一瞬で吹き飛ばされた。

ナコルル:きゃああああ~~!!!

ゾディアック?:・・・次はない、引かねば殺すぞ。

無表情のまま、冷たい殺気が増大する。

ナコルル:い・・・、いえ。 ど、どきません。 ・・・たとえ、この身が朽ちようと、
      ここにいる人達は守って見せます!

ゾディアック?:・・・愚かな。

無言のまま、ナコルルへと掌をかざすゾディアック。
その掌に紅蓮の炎が集束する。



オーガスト:・・・あ~あ、ボロボロじゃない。 ほ~んと馬鹿ね♪
       反撃出来ない訳じゃないでしょ、ゲートキーパー。
       あなたが本気を出せば、この二人を討つ事ぐらい訳ないじゃない。
       無感情の人形が聞いて呆れるわ!

打ちひしがれるアネルへ、容赦ない言葉を浴びせかけるオーガスト。

アネル:・・・私は人形なんかじゃない。

オーガスト:はん! 何を言っても無駄よ! あなたもただの劣化コピーに
       すぎないんだから! ただのね・・・!

アネル:・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

オーガスト:・・・ちっ! もういいわ。 結局この程度なのね、あなたの覚悟って。
       ああ、つまらない! だったら、その大切な奴らの手で死ぬといいわ!!

オーガストが指を鳴らすと同時に、跳躍する二人。

ハガネ:・・・これで終わりだ、偽善者。

リアフィーユ:あはは、ばいばい。 一人ぼっちの門番さん♪

ゾディアック?:・・・死ね、小娘。

・・・ハガネ、リアフィーユ。

握りかけた拳を緩めたその瞬間!

ドシュ・・・!!
ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!

同時に起こる2ヶ所の爆発と閃光。

オーガスト:な・・・なに!? お、お前達は!

激しく舞い上がる粉じんと爆炎の中、ナコルルとアネルをかばうかの如く
立ち塞がる3つの人影があった。

???:・・・義を見てせざるは勇なきなり。

???:・・・ちょっとした余興かとも思ったんだけど、さすがにやりすぎだよ。

???:・・・我ら、義によりて助太刀致す!

ナコルル:あ、あなた達は!?

ナコルル達を救った者。
それは、つい先ほど激戦を繰り広げていたキュアブロッサム、孫策、星彩達だった。

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