ぷっぷく工房

mugenとゲームとイラストをまったりと綴るブログです。

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つづら杯決勝戦~中編その6~

こんにちは、管理人のつづらです。

暴走するアネル。
必死に呼びかけ続けるナコルルの想いは、はたして
アネルに届くのか・・・?

徐々に明らかになっていく、選手喪失の謎。
物語中編も、いよいよ佳境です!



【本戦会場】

アネル:ゴアアアアアアア・・・ア・・・っ!!!!

ナコルル:アネルさん、お願いっ・・・!!
      話を・・・話を聞いて下さいっ!!

激しい炎を吐きつつ、会場を破壊し続けるアネルにナコルルは
なおも話しかけ続ける。

焦点の定まらぬ業火が、会場のあらゆる箇所を破壊し、
その一部がナコルルへと降りかかる。

それをゾディアックが片腕のまま、巧みに射線をずらしつつ、
弾き飛ばす。

ゾディアック:・・・どうするナコルル。 このままでは埒が明かぬぞ。

ナコルル:・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ゾディアック:・・・そういえば、先ほどそなたは、アネルの暴走の由縁を
        話していたな。 一体、アネルをここまで追い込んだものとは、
        なんなのだ・・・?

ゾディアックの問いに、ナコルルは一瞬躊躇しつつ、言葉を振り絞る。

ナコルル:・・・アネルさんのお仲間である・・・ハガネさん・・・、
      そして、リアフィーユさんが・・・アネルさんの目の前で・・・。

それ以上の言葉は繋げられなかった。
悲しみに顔を歪ませ、胸の前に手を当てるナコルル。

ゾディアック:・・・そうであったか。

暴走の理由を悟ったゾディアックは、もう一度アネルに視線を戻す。
しばしの沈黙の後、ゾディアックは静かに語り出す。

ゾディアック:・・・我ら、4人が研究所を出て一年。 余を除く、アネル、
        ハガネ、リアフィーユの3人は、ともに暮らすようになった。
        親の顔も知らぬ、他人同士ではあったが、まるで互いの
        欠けていたものを補う様に、意思を通じ合わせる様になった。

ナコルル:・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ゾディアック:・・・始めはぎこちなく、よそよそしいものではあった様だが、
        それでも、互いに足りないものを補い合い、支え合う姿は、
        未熟とはいえ、家族そのものの様でもあった。 まるで、
        血を分けた本当の姉妹のようにな。

ナコルル:・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ゾディアック:・・・それからだ、アネルが少しずつ変わっていったのは。
        それまで、非情ともいえる冷徹さで、部外者をただ排除する
        だけの存在だったあやつが、2人と過ごす日常の中で、
        少しずつ己の感情を取り戻していったのは。 ・・・まるで、
        氷が徐々に解けていくようにな。

ナコルル:・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ゾディアックの表情は普段と変わりないものだったが、アネル達を語る
その瞳は、とても穏やかなものの様にナコルルは感じていた・・・。

ゾディアック:・・・ナコルルよ。 そなたにはアネルがどう映っている?

不意に、ゾディアックがナコルルに問う。

ナコルル:・・・人として、とても立派で、何よりも人を絶対に裏切らない、
       尊敬出来る方だと感じました。

ゾディアックの問いに、ナコルルは己の考えを率直に伝える。

ゾディアック:・・・そうか、そなたにはそう見えるか。

ナコルル:?

ゾディアック:・・・確かにあやつは、人として、分別をわきまえた立派な人格を
        備えているのだろう。 ・・・多少、融通の利かない頑固な部分も
        あるがな。 だが、そなたが感じたあやつの人格は、ある意味、
        砂上の城のような危うきものでもあるのだ・・・。

ナコルル:それは・・・一体?

ゾディアック:・・・そなたも薄々、我らが人とは少し違う存在である事を感じて
        いるのであろう? ・・・察しの通り、我らは、とある神の再現という
        研究の副産物として生まれた存在だ。

ナコルル:・・・・・・・・・っ!

ゾディアックは、なおも言葉を繋げる。

ゾディアック:・・・馬鹿げた話だ。 元より人が神を作り出すなど不可能に近い。
        我らとて、しょせん元となった神の、人間の複製品としての存在に
        過ぎん。 我らが個々持ちうる人格も、研究に都合の良い様に
        後付されたものだ・・・。

ナコルル:・・・そんな、そんな事って・・・。

言葉を失うナコルル。
ゾディアックの話は、彼らの背負ってきた重い過去を推測させるのに、
十分なものであった。

ゾディアック:・・・ともかく、アネルは、外部からの侵入者を排除する為、戦闘に
        不必要とされる感情は全て消去させられていたのだ。 文字通り、
        ただ、戦う為の・・・守る為の道具としてな。

ナコルル:・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ゾディアック:・・・ハガネやリアフィーユと共に暮らす中で、少しずつ人間らしい
        感情を取り戻していったあやつではあるが、【ヒト】として生きた
        年数は、おそらく、そなたよりまだ短い。 それ故、その心、精神は
        大きな衝撃を受ければ、硝子の様に容易く割れてしまうものなのだ。
        ・・・今回のあやつの暴走も、心の拠り所となっていたものを失った
        事に対する動揺と見ていいだろう。

ナコルル:アネルさん・・・。

ここまで話し、ゾディアックは訝しむ。

ゾディアック:・・・とはいえ、解せぬな。 余は未だに、ハガネとリアフィーユの
        存在を感じておる。 あやつらが死んだとは到底思えぬのだが・・・?

ナコルル:!? それは、一体どういう事ですか・・・!?

ゾディアックの突然の発言に動揺するナコルル。

ゾディアック:・・・うむ。 先ほど話した通り、我らの身体には【オロチ】と呼ばれる
        神の因子が組み込まれておる。 因子は、保有者に力を与えると
        同時に、因子の組み込まれた者同志の存在を感覚的に認識する事も
        可能としている。 ・・・その因子が余にはっきりと告げておるのだ。
        あの二人の存在をな。

ナコルル:まさか・・・!? そんな・・・。

ゾディアックの言葉に、驚きを隠せぬナコルル。
しかし、その胸は、新たなる希望を感じずにはいられなかった。

to be continued・・・
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