ぷっぷく工房

mugenとゲームとイラストをまったりと綴るブログです。

<< PREV | PAGE-SELECT | NEXT >>

>> EDIT

つづら杯決勝戦~前夜2~

こんにちは、管理人のつづらです。

どんな物語にも、起・承・転・結というものが存在します。
順番はどうあれ、それをそう組み合わせていくかが、語り手の妙・・・というものですが、
漫画はともかく、文章で何かを表現しようとするのは、本当に大変ですね。(苦笑)

ともあれ、このお話ももうすぐ、結・・・クライマックスへと近づいています。
決勝戦前夜、それぞれの登場人物の想いをちょっとでも感じて頂ければ幸いです♪

ではでは、前回の続き、お楽しみください。



???「こいつは、ダメだな・・・。」

???「ああ、まさか、こんな失敗作が生まれちまうとはな・・・。」

???「ああ、まったくだ。 こんな劣化コピー品、代用品にもなりゃしない。
     多額の援助をもらっているというのに、上へは、どう説明すりゃいいんだ・・・。」

???「まあ、いいさ。 どちらにしろ、こいつは廃棄だな・・・。」

『ワタシハ・・・。』

???「あ~あ、なんでこんなのが、生まれちまったのかな・・・。」

???「ははは、どうせ、欠陥品の寿命なんてたかが知れてる。
     気にする事はないさ。」

『ワタシハ・・・。』

『・・・・・・・・・・・・・・・。』

暗転する世界。 暗闇に誰かの声が木霊する。

長い永遠とも思える闇。
狭い狭い部屋。

『ダレカ・・・。』

『・・・ワタシを ワタシを 見て。』

『私ハ・・・、私は。』




『コ コ ニ イ ル !!』




何者かの心の声が脳裏に響き渡る。
それは、いつしかアネルの心と重なるかの様に、何度も何度も
繰り返し、響き渡るのだった。



【メディカルセンター】

アネル:うっ・・・。

ナコルル:アネルさん、気が付きましたか・・・?

アネル:ナコ・・・ルル? はっ! リ、リアフィーユ、そして、ハガネは!?

ナコルル:・・・ハガネさんは、リアフィーユさんを捜しに行かれました。
      ここを、私達に託して…。

アネル:・・・・・・・・・・・・・・・。

アネルは、自分の不甲斐無さを悔いた。
周りをなるべく巻き込まないようにと行動していた事が、かえって周りを
巻き込む結果になってしまった事を。

アネル:く・・・っ!

振り下ろした拳の衝撃で、壁に亀裂が走る。

ナコルル:アネルさん・・・。

アネル:すまない、ナコルル。 私は・・・、まだまだだな。

ナコルル:・・・リアフィーユさんは、ちゃんと話して欲しかったんだと思いますよ。
      たとえそれが、リアフィーユさんを守る為だったとしても。

アネル:・・・・・・・・・・・・!

ナコルル:妹って、そういうものなんです。 どんな事であれ、自分だけが
      知らなかったという事が、すごくショックで・・・。 なんだか一人だけ、
      信頼されてないような、仲間外れにされているような、そんな悲しい
      気持ちになってしまう事があるんです。

アネル:・・・・・・・・・・・・・・・。

ナコルル:私も、ずいぶんリムルルに心配かけられました。 意地っ張りで、
      頑固で、一度言い出したら聞かない、やんちゃな子・・・。 それでも、
      あの子はいつも一生懸命に、誰かの為に動いていました。

ナコルルの話は、アネルの心に深く深く沁みた。
姉として、妹であるリムルルをずっと気にかけてきた、そんな想いが言葉の
一つ一つに込められていた。

アネル:ナコルル・・・。

きっと、誰よりも今、辛い思いをしているのは、他ならぬナコルルだろう。
存在自体が消えかけているリムルル。
そんな状態のリムルルをほっておける筈がない。
ナコルルの心中を察すると、アネルは胸が痛んだ・・・。

アネル:私の・・・、私の管理ミスだ・・・。 私が、もっと。
     もっと、周りへの警戒を行っていたら・・・!

ナコルル:・・・自分を責めないで下さい、アネルさん。 私達は、この大会の
      司会、進行を任されました。 たとえ、それが契約上のものだとしても、
      『約束』は守られなければなりません。 それに・・・。

アネル:それに・・・?

ナコルル:今、私達の気持ちと同じように、感じ。 そして、行動して下さっている
      皆さんがいらっしゃいます。 だから、私は・・・、皆さんを信じています!

アネル:ナコルル・・・。

アネルは、あらためてナコルルの心の強さを感じた。
華奢な肉体からは、想像出来ないような想いの強さをナコルルは持っていた。

アネル:ん・・・? ナコルル、それは?

アネルは、ナコルルが傍に置いていた小さなぬいぐるみに気付いた。
最近買ったにしては、不自然な程の傷や汚れが付着していた。

ナコルル:これは、小夜さんから預かったものです・・・。

アネル:小夜から・・・?

ナコルル:ええ、聞く所によると、飛龍子さんの気配が消えた場所に
      置かれていたのだとか。

アネル:・・・飛龍子がぬいぐるみ?

あまりにも趣味にそぐわない、その置き土産にアネルは首をかしげる。

アネル:壊れた時計をかけた羊のぬいぐるみ・・・か。
     これは一体?

ナコルル:私にも、これが何を意味するか、今は分かりません・・・。
      ただ、飛龍子さんが私達に何か重要な事を伝えようとしていた事だけは
      確かです。

アネル:・・・・・・・・・・・・。 ともかく、決勝戦開始まで、あと数時間。
     まずはお互い、身支度を整えておこう。 そして・・・。

ナコルル:・・・?

アネル:無事に決勝戦が終わったら、皆で帰るぞ・・・。 皆でな・・・!

ナコルル:! は、はいっ!

アネルの言葉に、ナコルルは大きくうなずくのだった。


【廃工場】

町外れの廃工場。
陽もすでに傾き、薄暗くなり始めたその場所にリアフィーユやたどり着いた。

人の気配すらしない、この鉄屑の山の中、リアフィーユは一人、オーガストを探す。
確証はない、だが、直感ともいえる感覚が、ここにオーガストがいると教えていた。

リアフィーユ:オーガストさん、どこ・・・!

声が鉄の山に木霊する。

リアフィーユ:・・・・・・・・・・・・・・・。

リアフィーユが不安を感じ始めたその瞬間。

???:あらあら、何しに来たのお姫様・・・?

リアフィーユの背後の積み重なった鉄屑の上から声が返ってきた。

リアフィーユ:オ、オーガストさん! 良かった、やっぱりここにいたんだね!
        私・・・あなたに聞きたい事があるの!

オーガスト:私に聞きたい事・・・? 馬鹿だね・・・、アネルから聞いてなかったの?
       夜の一人歩きがどんなに危険か・・・。

瞬時、リアフィーユの背後に着地するオーガスト。
帽子は目深に被ったままだ。

リアフィーユ:う、うん・・・。 だけど、私。 どうしても、確かめておきたかった事があるの。
        オーガストさんの事・・・。

オーガスト:私の事・・・?

リアフィーユ:今・・・、いろんな人が行方不明になってる。 でも、それにオーガストさんが
        関係しているなんて、嘘だよね?

オーガスト:・・・・・・・・・・・・・・・。
       アネルが・・・、あいつがそう言ったのかい?

リアフィーユ:う、うん・・・。

オーガスト:・・・そうかい。 それじゃ、なんで、あんたは私に会いに来たんだい?

リアフィーユ:そ、それは・・・。 オーガストさんから本当の事を聞きたくて・・・。

オーガスト:・・・つまり、アネルの言葉が信じられなかったんだね?

リアフィーユ:え、そ、そんな事は・・・。

オーガスト:くすっ・・・。 隠さなくてもいいよ♪ そう、あいつはあんたにずっと
       隠し事をしてきた。 文字通り、真実を隠してね・・・。

リアフィーユ:え・・・。

オーガスト:一つ、教えておいてあげる。 この世に本当の事なんて、一つもない
       という事を・・・ね。 くす、あんたも、そんな事をあいつから感じたから、
       ここに来たんだろう?

リアフィーユ:そ、そんな、わ、私は・・・。

動揺するリアフィーユを横目にほくそ笑むオーガスト。
そっとリアフィーユの首筋に手を伸ばす・・・。

シュ・・・!!

刹那、オーガストの眉間を狙い飛んでくる数本のダガー。

ハガネ:そいつから離れろ・・・、リアフィーユ。

オーガスト:あらあら、お迎えかしら・・・?

ハガネの顔からは普段の笑みは消え、暗殺者としての殺気がまとわりついていた。

リアフィーユ:ハ、ハガネ・・・?

ハガネ:リアフィーユ、みんなが心配している・・・。 今すぐ、ここから帰るんだ。

リアフィーユ:そ、そんな。 私は、オーガストさんに本当の事を・・・。

ハガネ:馬鹿! まだ気づかないのか!! 良く見ろ、ここに施された結界を・・・!

リアフィーユ:え・・・?

オーガスト:(ちっ…! あいつ、余計な真似を・・・!) ふふ・・・。 そうね。
       どちらにしろ、あんた達は、ここで終わり。 もう少し、お話ししたかったけど、
       これでおしまいね・・・。

リアフィーユ:オ、オーガストさん・・・。 な、何故!?

オーガスト:・・・・・・・・・・・・・・・。

無言のオーガストに神速の速さで斬りかかるハガネ。
すんでの所で、かわしつつ、鉄屑から鉄屑へと移動するオーガスト。
オーガストのいた場所にあった鉄骨は轟音と共に真っ二つに割れ崩れ落ちた。

オーガスト:へぇ~、そんな攻撃も出来るんだ。 すごい、すご~い!

ハガネ:お前は大切なものを傷付け過ぎた・・・。
     ここで、終わりにする・・・!

呆然と立ち尽くすリアフィーユをよそに、闇を切り裂く、二人の攻防は続くのだった。

mugen00649.png
web拍手 by FC2

| mugen(大会・etc) | 23:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント:

TRACKBACK URL

http://puppukukoubou.blog.fc2.com/tb.php/233-efa1870a

TRACKBACK

<< PREV | PAGE-SELECT | NEXT >>